息子が4歳になった年、ヨークシャー・ハンバーサイド日本語補習校幼稚部に入園しました。
入学見学の日、日本の歌やひらがなを楽しく学ぶ様子を見て、息子本人が「やってみたい」と希望しました。
ちょうどその日の休憩時間、ラジオ体操の音楽と共に元気よく身体を動かす生徒たちを見て、自分が日本の小学校に通った日々を同じように息子も体験することができると思い、入学を決めました。
運動会・朗読会・書初めなど、家庭学習では体験できない様々な行事が日本語補習校で学べます。また日本の小学校と同じ教科書を使い、教科書の授業や学校生活を通して日本の文化に触れることができたように思います。自分が小学生の時に学習した「ごんぎつね」や「わらぐつの中の神様」などの物語をイギリスで同じように学べるのは親としても嬉しく思いました。
初めは、日本語のテレビや漫画が楽しめるレベルに日本語を習得できれば・日本で暮らす日が来るときに備えて・・・との思いで通い始めましたが、GCSE(16歳で受ける全国統一試験)の日本語科目を受験する先輩たちをお手本に息子や他の生徒も次第に目標を高く掲げ挑戦していく姿を目の当たりにし、これまで通った日々のおかげで日本語習得以上のものを得たように感じます。
こちらの学校で一緒に学ぶ友だちに出会い、互いに支え合うことで、イギリスで暮らしながらも日本人としてのアイデンティティーの軸を育むことができました。ヨークシャー・ハンバーサイド日本語補習校は小さな学校ですが、とても温かいアットホームな雰囲気の学校です。保護者としても、イギリス北部では慣れない生活環境ゆえに悩みや孤独感を抱くこともあったのですが、日本語補習校に入学して以来、様々な子育てやイギリス生活の相談が出来る場ができ、非常にありがたく思っています。日本語補習校は、子どもたちが日本語という「言葉の力」を学び、個を尊重し合える素晴らしい学校です。
これから先、多くの子どもたちが本校を巣立ち、それぞれのフィールドで羽ばたいてくれることと思います。