中学二年生から参加しました。
規模の小さな学校でしたが温かく迎え入れてもらえ、すぐに打ち解けることができました。在学期間は二年と短かかったけれど、卒業後も幼稚部のアシスタントとしてお手伝いで通うほど大好きな場所になった補習校。休み時間には年齢の垣根を越えて遊び、いつも笑いの絶えないやさしい空間でした。
保護者室では現地校のわからない事や日本食再現法の情報などが行き交い、バザーではお手頃価格で服やおもちゃを譲り合い、まるで親戚が沢山 できたかのような気持ちで毎週ウキウキしながら通っていました。
日英どちらかの言語しか喋れない子供も多かったのですが、共通の趣味や仲の良いの友達ができると驚きのスピードで言語を習得する光景がよく起こり、日本語を完全に忘れていたはずの弟がいつの間にか流暢に喋りだした時は本当に感動しました。かくいう私も、毎週の漢字テストでクラスメイトに得意げな顔をされる度に煽られ、大嫌いだったはずの漢字を必死に覚えるようになっていました。
大人になりロンドンに引っ越した今は沢山の「補習校育ち」の日本人と出会います、ヨークシャーハンバーサイド卒業生の先輩にもバッタリ出会いました。イギリス育ちだと言われなければわからないほど日本語がペラペラに話せる彼らは、日本人のような誠実さや真面目さも持ちながら差別や偏見のない広い視野で世界を見ている人が多く、とても好感を持てる人ばかりでした。日本とイギリスという相反した国をどちらも経験し理解できる分、同じ話題でも多方面から考えることができるのかもしれません。イギリス育ちの子には「日本語を学びたい」という意欲を引き出すきっかけに、日本育ちの子には「慣れ親しんだ環境にちかい場所」になればいいなと思い、この補習校に通う子が増えたらいいなと思います。